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数学を教わってみて思うこと ~ ベイズ統計学入門レポート

先月から すうがくぶんかのベイズ統計学入門 に通っています。
もちろん無料講座とかではなく月謝が掛かるタイプのもので、自腹でお金を出してます。
(向上心があって素晴らしいと評価してくれる方は今度会ったときにコーヒーでも奢ってください。学びをフィードバックしますんで)

まだ2回しか受講していないけれど、きっかけや気づきなどを書き留めておこうと思います。


講座の内容

主題は文字通り「ベイズ統計学」です。 ベイズ統計学の考え方を元にモデルを組み立ててパラメーターを推定できるようになるのが目的、だと思います。
そのためのツールとして MCMC(マルコフ連鎖モンテカルロ法) についての解説が入っていくと思われます。

1回の授業は2時間で、レジュメを見ながらの座学で理論を学ぶ時間と実際のデータをいじりながら実践で学ぶ時間があります。
実践パートでは R言語 と Stan を使います。


なぜベイズ統計学か?

包み隠さずに正直に書くと、数学関係の講座を受講することが目的で 何の講座か という部分はまぁ、ある意味何でもよかったのでフィーリングで決めました。
まず すうがくぶんか という会社が社会人向けの講座をやっていることを知り、そのカリキュラムの中から現在でいちばん関心のあったベイズ統計学を選んだという流れですね。

とは言え一応の狙いはあって、いま流行りの 機械学習 分野に自分の歩みを進めたいという思いがありました。
どちらかというと応用よりも基礎理論が好きな自分にとって、既存のフレームワークを触ることでは入門していけず、理論を教えてもらえる講座を探していました。


それともう一つ、
久しぶりに 人に教わる という体験をしたいと言うのもありましたね。
自分にとって、教わること独学 とどちらが効率がいいのか、ここらでテストしてみたいという事も思っていました。


授業を経て思うこと

そんなわけで、2回ほど授業を受けての感想です。

暗黙知を垣間見る

授業を受けての一番のメリットは、講師が暗黙に知っていることを 雰囲気で 感じられることです。

例えば、書籍などでは「代表的な方法は A, B, C の3種類がある」と形式的に書かれている事でも、講師が読み上げるときに「とはいえ、実際には C だけ押さえられとけば事足りますけどね」などと付け足すわけです。
この付け足しの一言みたいなものがものすごく貴重で、実は情報量の多い発言だなと感じます。書籍ほどに整理されていない形式だからこそ枝葉末節に多くの情報を持たせることができるのでしょうね。


それに加えて、こちらから積極的に質問できるのもポイントです。
これまで2回の授業とも、講師が「A は B ですので~」と言ったのに対して『それは 意図的に B にする というニュアンスですか?それとも B になってしまう という意味でしょうか?』と質問しました。
このようにニュアンスを聞き出せるのも対面での授業ならではだと感じます。


関心の範囲が広がり、有意注意が鍛えられる

授業を受けると、スッと理解できる部分もある一方で、なかなか呑み込めない部分もあります。
かるく導入だけされた後で「この部分は後半で詳しくやります」とか言われるとなおさらですね。

そういった、自分の中に飛び込んではきたけれど消化できていないキーワードを持っておくことで、日常生活の中でもそれらに関連した物事が目に入りやすくなります。
ベイジアンフィルタや MCMC というワード、それらが実際に応用されている事例などがハッと目に飛び込んできます。
『ああ、俺がいままさに学んでいるやつだな』という気持ちで身の回りの物事に気づきやすくなるわけです。


誰だって、普段から身の回りで接していても見逃しているものが多くあります。
そういうものをしっかりとキャッチしていくには、やはり意図的に 注意 を向けるしかないわけで、新しい物事を学ぶのはそういった 有意注意 を促してくれるものなんだなと感じます。


自分の背中を押す強制力

時間と枠が決められた 授業 というものを中心に据えて学習が進んでいくスタイルはやはり心地よい強制力があります。
授業中は集中して理解に努めますし、次回の授業までに用意しておくべきことや予習しておくべきことはケツをたたかれている気分できっちりと進められます。

社会に出てからというものもっぱら独学でまなんできた自分にとって、目的・期限が決められて強制的に学習が進んでいく環境は刺激的で、学習を加速させるいい要素だと感じています。


「人に教わる」ということ

最後に、人に教わりながらあらためて「人に教える」ことについても考えています。
専門領域においてほとんど独学で知識を獲得してきたために、職場では教わるよりも教える割合が多くなっています。

人を教えるというのは難しいもので、すぐに『教えるより自分がやったほうが早い』というダメな思考に取りつかれます。
今回気づいたのは、人を教える自分自身が「教わる」という体験をしばらくしていなかったことです。
今回あらためて教わる側にまわることで、今後人を教えるためににも多くの学びがあると期待しています。


私からは以上です。

Python3 で言語処理100本ノック 2015 - 第2章

まさか続くとは。

乾・岡崎研究室が公開している 言語処理100本ノック 2015 に取り組んで行きます。
使用する言語は Python3 です。

第2章まで出来たんでまとめます。


第2章: UNIXコマンドの基礎

hightemp.txtは,日本の最高気温の記録を「都道府県」「地点」「℃」「日」のタブ区切り形式で格納したファイルである.
以下の処理を行うプログラムを作成し,hightemp.txtを入力ファイルとして実行せよ.さらに,同様の処理をUNIXコマンドでも実行し,プログラムの実行結果を確認せよ.

hightemp.txt の内容はこんな感じ、

高知県 江川崎 41 2013-08-12
埼玉県 熊谷 40.9 2007-08-16
岐阜県 多治見 40.9 2007-08-16
山形県 山形 40.8 1933-07-25
山梨県 甲府 40.7 2013-08-10
和歌山県 かつらぎ 40.6 1994-08-08
静岡県 天竜 40.6 1994-08-04
山梨県 勝沼 40.5 2013-08-10
埼玉県 越谷 40.4 2007-08-16
群馬県 上里見 40.3 1998-07-04
愛知県 愛西 40.3 1994-08-05
千葉県 牛久 40.2 2004-07-20
静岡県 佐久間 40.2 2001-07-24
愛媛県 宇和島 40.2 1927-07-22
山形県 酒田 40.1 1978-08-03
岐阜県 美濃 40 2007-08-16
群馬県 前橋 40 2001-07-24
千葉県 茂原 39.9 2013-08-11
埼玉県 鳩山 39.9 1997-07-05
大阪府 豊中 39.9 1994-08-08
山梨県 大月 39.9 1990-07-19
山形県 鶴岡 39.9 1978-08-03
愛知県 名古屋 39.9 1942-08-02

タブ区切り形式です。


以下の課題は基本的に Python でコーディングして結果の検算を UNIX コマンドで行います。

もう一つ、第2章に取り組むにあたって方針を立てます。 入力ファイルが巨大なものになってもメモリを圧迫せずに動作する というものです。
テキストファイルを一気に全て読み込むことは避けて、なるべく行毎に読み込むコードに落とし込みます。

10. 行数のカウント

行数をカウントせよ.確認にはwcコマンドを用いよ.

Python

import codecs

count = sum(1 for line in codecs.open("./src/hightemp.txt", "r", "utf-8"))

print(count)
# => 24

というわけでジェネレーター内包表記です。

つづいて UNIX コマンドを用いた場合、

Bash

cat ./src/hightemp.txt | wc -l
# => 24

いいですね。


11. タブをスペースに置換

タブ1文字につきスペース1文字に置換せよ.確認にはsedコマンド,trコマンド,もしくはexpandコマンドを用いよ.

Python

import codecs

for line in codecs.open("./src/hightemp.txt", "r", "utf-8"):
    print(line.replace("\t", " "), end="")
# =>
# 高知県 江川崎 41 2013-08-12
# 埼玉県 熊谷 40.9 2007-08-16
# ...

実質的には .replace() してるだけです。

Bash

cat ./src/hightemp.txt | sed -e 's/\t/ /g'
# =>
# 高知県 江川崎 41 2013-08-12
# 埼玉県 熊谷 40.9 2007-08-16
# ...

sed 好きなんですよね。


12. 1列目をcol1.txtに,2列目をcol2.txtに保存

各行の1列目だけを抜き出したものをcol1.txtに,2列目だけを抜き出したものをcol2.txtとしてファイルに保存せよ.
確認にはcutコマンドを用いよ.

Python

import codecs

with codecs.open("./dest/col1.txt", "w", "utf-8") as f1 \
     , codecs.open("./dest/col2.txt", "w", "utf-8") as f2:
    for line in codecs.open("./src/hightemp.txt", "r", "utf-8"):
        cols = line.split("\t")

        f1.write(cols[0]+"\n")
        f2.write(cols[1]+"\n")

with 記法を使ってます。open() と with 記法を同時に使うと1行が長くなりがちなのがちょっと嫌ですね。

Bash

[ -d dest ] || mkdir dest

cat ./src/hightemp.txt | cut -f1 > dest/col1.txt
cat ./src/hightemp.txt | cut -f2 > dest/col2.txt

cut したものをリダイレクトするだけ。便利ですね。


13. col1.txtとcol2.txtをマージ

12で作ったcol1.txtとcol2.txtを結合し,元のファイルの1列目と2列目をタブ区切りで並べたテキストファイルを作成せよ.
確認にはpasteコマンドを用いよ.

Python

import codecs

with codecs.open("./dest/col1.txt", "r", "utf-8") as rf1 \
     , codecs.open("./dest/col2.txt", "r", "utf-8") as rf2 \
     , codecs.open("./dest/col1+2.txt", "w", "utf-8") as wf:
    for col1, col2 in zip(rf1, rf2):
        wf.write("{0}\t{1}\n".format(col1.strip(), col2.strip()))

面倒だー。ファイルを3つも開いて、さらにその中でループ回してるのでコードが非常にもっさりしてます。

Bash

[ -d dest ] || mkdir dest

paste ./dest/col1.txt ./dest/col2.txt > ./dest/col1+2.txt

一撃!UNIX コマンド便利!


14. 先頭からN行を出力

自然数Nをコマンドライン引数などの手段で受け取り,入力のうち先頭のN行だけを表示せよ.確認にはheadコマンドを用いよ.

Python

import sys
import codecs
import itertools

count = int(sys.argv[1])

with codecs.open("./src/hightemp.txt", "r", "utf-8") as f:
    for line in itertools.islice(f, 0, count):
        print(line, end="")

itertools.islice() を使えばイテレーターを対象にしてスライスが可能なようで。

Bash

cat ./src/hightemp.txt | head -n $1

表示だけが目的ならこれで充分ですね。


15. 末尾のN行を出力

自然数Nをコマンドライン引数などの手段で受け取り,入力のうち末尾のN行だけを表示せよ.確認にはtailコマンドを用いよ.

Python

import sys
import codecs
import itertools

count = int(sys.argv[1])
max_count = sum(1 for line in codecs.open("./src/hightemp.txt", "r", "utf-8"))

with codecs.open("./src/hightemp.txt", "r", "utf-8") as f:
    for line in itertools.islice(f, max_count - count, None):
        print(line, end="")

itertools.islice() は引数にマイナスの数を使えないようです。 f[-5:] みたいに書けると便利なんですが。

Bash

cat ./src/hightemp.txt | tail -n $1

先ほどと同様です。


16. ファイルをN分割する

自然数Nをコマンドライン引数などの手段で受け取り,入力のファイルを行単位でN分割せよ.同様の処理をsplitコマンドで実現せよ.

Python

import sys
import codecs

def line_counts(max_count, n):
    quo = max_count // n
    rem = max_count % n

    return [quo+1] * rem + [quo] * (n - rem)

n = int(sys.argv[1])
max_count = sum(1 for line in codecs.open("./src/hightemp.txt", "r", "utf-8"))

with codecs.open("./src/hightemp.txt", "r", "utf-8") as rf:
    for i, line_count in enumerate(line_counts(max_count, n)):
        with codecs.open("./dest/split.{0}.txt".format(i), "w", "utf-8") as wf:
            for _ in range(line_count):
                wf.write(rf.readline())

line_counts() という関数を定義しています。
この関数は整数 max_count をN分割します。戻り値は整数のリストで、各要素は高々1しか差が無いように調整されます。

具体的に、

line_counts(13, 5)
# => [3, 3, 3, 2, 2]

この関数を使って、例えば入力ファイルの行数が13行で、それを5分割するなら、出力ファイルの行数は3行, 3行, 3行, 2行, 2行にするという方針です。

Bash

これの UNIX コマンドでの解き方が分からなかったんですよね。
split コマンドを素朴に使うと「N分割」ではなく「M行毎に分割」という感じになるので。

というわけで カンニングしました
これをシェルスクリプトで書きたくはないですね、個人的に。


17. 1列目の文字列の異なり

1列目の文字列の種類(異なる文字列の集合)を求めよ.確認にはsort, uniqコマンドを用いよ.

Python

import codecs

prefs = set(line.split("\t")[0] for line in codecs.open("./src/hightemp.txt", "r", "utf-8"))

print(prefs)
# =>
# {
#     '埼玉県', '千葉県', '群馬県', '山形県', '静岡県', '愛知県',
#     '高知県', '岐阜県', '山梨県', '愛媛県', '和歌山県', '大阪府'
# }

unique な集合を得るのが目的なので set を使いました。

Bash

cat ./src/hightemp.txt | cut -f1 | sort | uniq
# =>
# 愛知県
# 愛媛県
# 岐阜県
# 群馬県
# 高知県
# 埼玉県
# 山形県
# 山梨県
# 静岡県
# 千葉県
# 大阪府
# 和歌山県

パイプで繋ぐだけでデータを加工していけている感覚、いいですね。


18. 各行を3コラム目の数値の降順にソート

各行を3コラム目の数値の逆順で整列せよ(注意: 各行の内容は変更せずに並び替えよ).
確認にはsortコマンドを用いよ(この問題はコマンドで実行した時の結果と合わなくてもよい).

Python

import codecs

sorted_lines = sorted(
    codecs.open("./src/hightemp.txt", "r", "utf-8"),
    key=lambda line: float(line.split("\t")[2]),
    reverse=True,
)

print("".join(sorted_lines))
# =>
# 高知県  江川崎  41      2013-08-12
# 埼玉県  熊谷    40.9    2007-08-16
# 岐阜県  多治見  40.9    2007-08-16
# 山形県  山形    40.8    1933-07-25
# 山梨県  甲府    40.7    2013-08-10
# ...

sorted() の機能をフル活用しています。

Bash

# -n オプション: 対象を数値としてソート
# -r オプション: 降順(逆順)ソート
# -k3 オプション: タブ区切りの3列目を比較対象として各順をソート
cat ./src/hightemp.txt | sort -nrk3
# =>
# 高知県  江川崎  41      2013-08-12
# 埼玉県  熊谷    40.9    2007-08-16
# 岐阜県  多治見  40.9    2007-08-16
# 山形県  山形    40.8    1933-07-25
# 山梨県  甲府    40.7    2013-08-10
# ...

sort コマンド便利ですね。タブ区切り形式と相性が良い。


19. 各行の1コラム目の文字列の出現頻度を求め,出現頻度の高い順に並べる

各行の1列目の文字列の出現頻度を求め,その高い順に並べて表示せよ.確認にはcut, uniq, sortコマンドを用いよ.

Python

import codecs
from collections import Counter

pref_counter = Counter(line.split("\t")[0] for line in codecs.open("./src/hightemp.txt", "r", "utf-8"))

print(pref_counter.most_common())
# =>
# [
#     ('山形県', 3), ('埼玉県', 3), ('群馬県', 3), ('山梨県', 3), ('岐阜県', 2),
#     ('愛知県', 2), ('千葉県', 2), ('静岡県', 2), ('愛媛県', 1), ('高知県', 1),
#     ('大阪府', 1), ('和歌山県', 1)
# ]
# ...

collections.Counter を使います。そのために用意されてるモジュールなので。

Bash

cat ./src/hightemp.txt | cut -f1 | sort | uniq -c | sort -rk1
# =>
# 3 山梨県
# 3 山形県
# 3 埼玉県
# 3 群馬県
# 2 千葉県
# 2 静岡県
# 2 岐阜県
# 2 愛知県
# 1 和歌山県
# 1 大阪府
# 1 高知県
# 1 愛媛県

uniq コマンドに -c オプションを渡すことで要素の出現回数をカウントしてくれるようになるんですね。これはいい。
sort を2回しちゃってるところが若干気になりますが。


所感

全体的に UNIX コマンドの便利さを身体で分からせるための出題ですね。勉強になりました。


私からは以上です。


コード全部まとめ

回答 - 言語処理100本ノック 2015 - 第2章 · GitHub


その他の章の回答はこちらから

blog.mudatobunka.org

JavaScript のデータを CSV で保存する

意外と需要のある JavaScript のデータを CSV として保存するスニペットを書き留めます。

var data = [
  ['name'  , 'age', 'gender'],
  ['Andrew', 26   , 'male'  ],
  ['Lisa'  , 21   , 'female'],
  ['Fred'  , 41   , 'male'  ],
]

このような多重配列を元にして、

f:id:todays_mitsui:20170423135440p:plain

このような CSV を保存します。

ちなみに、

var data = [
  {name: 'Andrew', age:26   , gender: 'male'  },
  {name: 'Lisa'  , age:21   , gender: 'female'},
  {name: 'Fred'  , age:41   , gender: 'male'  },
]

このような オブジェクトの配列 にも対応させました。


んで、
最初に書いておきますが、 Mac版 Excel には対応していない CSV を扱っています 。ご容赦ください。


コード

さっそくドン、

class CSV {
  constructor(data, keys = false) {
    this.ARRAY  = Symbol('ARRAY')
    this.OBJECT = Symbol('OBJECT')

    this.data = data

    if (CSV.isArray(data)) {
      if (0 == data.length) {
        this.dataType = this.ARRAY
      } else if (CSV.isObject(data[0])) {
        this.dataType = this.OBJECT
      } else if (CSV.isArray(data[0])) {
        this.dataType = this.ARRAY
      } else {
        throw Error('Error: 未対応のデータ型です')
      }
    } else {
      throw Error('Error: 未対応のデータ型です')
    }

    this.keys = keys
  }

  toString() {
    if (this.dataType === this.ARRAY) {
      return this.data.map((record) => (
        record.map((field) => (
          CSV.prepare(field)
        )).join(',')
      )).join('\n')
    } else if (this.dataType === this.OBJECT) {
      const keys = this.keys || Array.from(this.extractKeys(this.data))

      const arrayData = this.data.map((record) => (
        keys.map((key) => record[key])
      ))

      console.log([].concat([keys], arrayData))

      return [].concat([keys], arrayData).map((record) => (
        record.map((field) => (
          CSV.prepare(field)
        )).join(',')
      )).join('\n')
    }
  }

  save(filename = 'data.csv') {
    if (!filename.match(/\.csv$/i)) { filename = filename + '.csv' }

    console.info('filename:', filename)
    console.table(this.data)

    const csvStr = this.toString()

    const bom     = new Uint8Array([0xEF, 0xBB, 0xBF]);
    const blob    = new Blob([bom, csvStr], {'type': 'text/csv'});
    const url     = window.URL || window.webkitURL;
    const blobURL = url.createObjectURL(blob);

    let a      = document.createElement('a');
    a.download = decodeURI(filename);
    a.href     = blobURL;
    a.type     = 'text/csv';

    a.click();
  }

  extractKeys(data) {
    return new Set([].concat(...this.data.map((record) => Object.keys(record))))
  }

  static prepare(field) {
    return '"' + (''+field).replace(/"/g, '""') + '"'
  }

  static isObject(obj) {
    return '[object Object]' === Object.prototype.toString.call(obj)
  }

  static isArray(obj) {
    return '[object Array]' === Object.prototype.toString.call(obj)
  }
}

CSV というクラスを定義しています。
使い方はこのように、

(new CSV(data)).save('foobar.csv')

調子こいて スプレッド演算子Set などを多用しているので、比較的新しい Chrome とかでないと動かないかも知れませんね。


CSV の仕様

CSV はとてもシンプルな仕様です。
フィールド(Excel でいうところのセル)をカンマ , で区切ったものがレコードになります。
レコード同士は改行 \n で区切ります。

フィールドに ,\n値として 含まれる場合は、それがフィールドやレコードの区切り文字ではないことを示すためにフィールド全体をダブルクォート " で囲む必要があります。
さらに " で囲ったフィールドの中に " が値として含まれる場合は " 自体をエスケープしてあげる必要があります。エスケープは " を二つ重ねて "" に置換することで行います。


文字コード

CSV ファイルを保存する際の文字コードについては特に規定されていませんが、 日本語を含む CSV を Excel で開きたい 場合には少々のテクニックを要します。

採用する文字コードの選択肢はいくつかありますが、

  1. Shift_JIS
  2. BOM 付き UTF-8
  3. BOM 付き UTF-16LE

今回は 2. BOM 付き UTF-8 を採用しています。
ただし、そうやって保存した CSV は Mac 版の Excel で開くと文字化けします


日本語を含む CSV を Excel で正しく開かせるためのテクニックについては、「CSV Unicode Excel」などのフレーズで検索していただけると闇が垣間見られると思います。


元データを用意する

もうこの記事で伝えたいことの本題は終わっているんですが、データを用意する方法にも軽く触れておきます。

例えば、ここに食べログの東京都内のラーメン屋の検索結果画面がありまして、

f:id:todays_mitsui:20170423135518p:plain

インスペクタとにらめっこしまして、

f:id:todays_mitsui:20170423135538p:plain

jQuery などを駆使してこのようなコードを書きますと、

const data = $('.list-rst').map(function() {
  const $this = $(this)

  const name         = $this.find('.list-rst__rst-name a').text()
  const score        = parseFloat($this.find('.list-rst__rating-val').text())
  const reviewCount  = parseInt($this.find('.list-rst__rvw-count-num').text(), 10)
  const dinnerBudget = $this.find('.cpy-dinner-budget-val').text()
  const lunchBudget  = $this.find('.cpy-lunch-budget-val').text()
  const holiday      = $this.find('.list-rst__holiday-datatxt').text()
  const comment      = $this.find('.list-rst__pr-title').text().trim()
  const searchWord   = $this.find('.list-rst__search-word .list-rst__search-word-item').map(function() {
    return $(this).text().trim()
  }).get()

  return {
    name,
    score,
    reviewCount,
    dinnerBudget,
    lunchBudget,
    holiday,
    comment,
    searchWord,
  }
}).get()

すると、このようなデータが取れますので、

f:id:todays_mitsui:20170423135554p:plain

先ほどの CSV クラスとしてインスタンス化して保存すると、

(new CSV(data)).save('ramen.csv')

f:id:todays_mitsui:20170423135606p:plain

このようなダイアログが開いてデータを保存できるわけですね。

Excel で開くと、

f:id:todays_mitsui:20170423135620p:plain

はい、このように。


まとめ

数ヶ月後に『あー、このサイトの情報テキトーに CSV 保存してぇ』という場面に出くわすであろう自分に捧げます。


私からは以上です。