無駄と文化

実用的ブログ

今週うまくいったプレゼンテーション

「今週」と言いつつ実際には先々週の話です。
3月24日25日と二日連続でイベントに参加して LT をしました。そのスライド作りがめちゃくちゃ上手くいったのでノウハウを書き記します。

ちなみに LT 資料がこのへんにあります。

blog.mudatobunka.org

 

上手くいったスライド作りワークフロー

  1. スライドの下書きを Markdown で作る
  2. LLM に投げてごっそり削る&推敲
  3. k1LoW/deck で Google スライドに流し込む

各手順を見ていきましょう。

 

1. スライドの下書きを Markdown で作る

いきなり Google スライドを開くのではなく、テキストエディターを使って下書きを Markdown で書きました。

たとえば「とにかくエージェントにSQLを書かせたい」の原稿はこんな感じ。

---
presentationID: 1i2zdjLzTs4EImUt0L_gVXbURbevqtylpOnt4JNAJ_BQ
title: とにかくエージェントにSQLを書かせたい
author: 今日の三井君
theme: default
---

# とにかくエージェントにSQLを書かせたい

## 今日の三井君

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<!-- {"layout": "自己紹介"} -->

## 自己紹介

- 名前: 三井翔吾
  - みついしょうご
- 所属: 株式会社はてな
- 職業: Webアプリケーションエンジニア
- マンガメディアを作りつつ、データ分析基盤を整備しています
- X: [@todays_mitsui](https://x.com/todays_mitsui), GitHub: [todays-mitsui](https://github.com/todays-mitsui)

- - -

![It's me!](img/itsme.jpg)

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## とにかくエージェントにSQLを書かせたい

- なぜですか?
  - SQLを書くのは大変
  - ボイラープレートが多い
  - 私よりエージェントの方がSQLが上手い
  - ノンエンジニアにも気軽に分析してもらいたい

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<!-- 中略... -->

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## まとめ

- エージェントはSQLを書くときの頼もしい味方
- ただしSQLを書くことがゴールじゃない
- 分析エージェントを使いこなせば試行錯誤のスピードが上がる

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## おまけ: 分析エージェントを作ってみる

- 構成
  - エージェント: Google Agent Developer Kit
  - モデル: gemini-2.5-pro
  - データストア: BigQuery
  - 実装: Python

短い文章を箇条書きにするのが私のスタイルなので。とりあえず思いつくままにどんどん書き出していきます。

ポイントは、

  • ページ数は気にしない
  • 文章量も気にしない
  • 前後のつながりも気にしない
  • 喋りたいことを最大限書き出しておく

こんな感じです。後工程で整える前提です。

削ったり整えたりの引き算は LLM が上手くやってくれます。語りたいことを情熱を持って書き出すのは、LLM に頼らず自分でやるのをおすすめします。

 

2. LLM に投げてごっそり削る&推敲

そのようにして Markdown 形式で書いた下書きを LLM に投げます。

10分のLTで下記の資料を作ってるんだけど。どうなんですかね?
とりあえず10分では厳しいボリュームな気がする。

```markdown
(下書きをコピペ)
```

こんな問いかけ方で OK。

そうすると、

文章量の多さを冷静に嗜めてくれたり

頑張って書いた箇所を「興味ない」とバッサリ切り捨ててくれたり

欲張りすぎやでと止めてくれたり

冷静かつ聴講者目線でダメ出ししてくれます。

プレゼンって、「あれもこれも語りたいぜ!」という情熱が必要な一方で、重要度の低い話題は勇気を持って切り捨てるのも大切です。
LLM をブレーキ役に使うことで聴講者の価値にならない話題で時間を食ってしまう事故が避けられます。

 

とはいえ全部が全部 LLM の言うことをきく必要もなく。「いや、この話題こそ価値があると思う」などとちょい反論もしつつ、何往復かさせて推敲を進めていきます。
読みづらい箇所のリライト、表記揺れや誤字のチェックなどもしてくれるので最大限活用しましょう。

 

k1LoW/deck で Google スライドに流し込む

完成した Markdown 原稿をスライド資料に仕上げるには k1LoW さんが作っている deck を使います。

github.com

以前から気になっていたので、2つのスライドを deck を使って作ってみました。

 

使ってみてわかったのが、

  • スライド作りが劇的に早くなるツール というわけではない
    • 画像貼るのは deck に頼らずに手でやる方が早いかも
    • とはいえ deck のために自分用のテンプレートを作り込んでおく価値はある
  • 原稿&推敲が先、資料作りは後、という切り分けが強制されるのが心地よい
    • これこそ聴講者にとってのクオリティを担保するために重要

このようなことです。

最初は k1LoW/deck っていい感じのスライドを素早く生成してくれるツールなのかな?と思っていましたが違いました。 むしろ初回はセットアップや調整の手間で資料作りは遅くなると思います。

 

deck がやってくれるのはスライドのテンプレートにテキストや画像を流し込むだけなので、見た目をいい感じにする恩恵はほぼありません。 それでも先に Markdown で原稿を作ってからスライドに流し込むワークフローが資料のクオリティを押し上げてくれます。

  • テキストベースの Markdown で内容を推敲するので LLM の支援を受けやすい
  • Markdown を前にして内容を考えることで「見た目にこだわる」誘惑から逃れられる

この辺りが重要だと思います。

 

ちなみに、 k1LoW/deck の具体的な機能や使い方を知りたい人は下記の資料を見てみてください。

 

まとめ

k1LoW/deck は素晴らしいツールです。

一方で、Markdown で原稿を FIX してからスライドに流し込むワークフローこそが資料のクオリティを押し上げてくれる、という点を強調しておきます。
LLM によるツッコミ・推敲・チェックの支援を大いに享受しましょう。

 

 

私からは以上です。